お墓お役立ちコラム

樹木葬とは?メリット・デメリットや注意点を徹底解説!シンボルツリーや納骨方式ごとの違いを知ろう

2019.8.3
樹木葬

樹木葬は美しいシンボルツリーを墓標の代わりにする埋葬方式です。

自然に還ることができるため、近年注目を集めています。しかし、樹木葬という言葉を聞いたことがあっても、従来のお墓と比べて、どのような特徴があるのか知らない方も多いことでしょう。

そこで今回は、数あるお墓の中から樹木葬を選ぶメリット・デメリットや、樹木葬で後悔しないための注意点を、美しい自然あふれる金沢の「宝勝寺ふれあいパーク霊苑」がわかりやすく解説します。

樹木葬のシンボルツリーやお墓の種類を解説

樹木葬とは、墓石の代わりに美しい樹木を墓標とするお墓のことです。遺骨は樹木の根元に収蔵され、年月とともに自然と調和していく自然志向の考え方をとるのが特徴です。

里山などへの散骨と異なる点は、通常のお墓と同様に、あくまでも正式なお墓を作り、納骨が行われる点です。お墓参りをする際は、故人の墓標ではなく、シンボルツリーに向かって祈りを捧げます。

樹木葬のシンボルツリーは低木がメイン

シンボルツリーにはさまざまな種類がありますが、いずれも緑が美しく、花が咲く低木がメインとなります。霊園によっては、大きな樹木を墓標にすることもあります。

とくに人気があるのは、日本を代表する樹木とも呼べる桜であり、山桜や里桜、しだれ桜などのバリエーションがあります。桜のほかにも、バラ、ハナミズキ、ヤマツツジも人気のシンボルツリーです。公園型の霊園では、イロハモミジやナツツバキがシンボルツリーになっているところもあります。

樹木葬の遺骨の収蔵方式は3種類ある

樹木葬のお墓の種類は、遺骨の収蔵方式によって、合祀墓、集合墓、個別墓の3つに分けられます。それぞれの違いは下記のとおりです。

  • シンボルツリーの付近に他人の遺骨と合祀埋葬する合祀型
  • シンボルツリーの付近に遺骨を区画ごとに埋葬する集合型
  • 遺骨を区画ごとに埋葬し、区画内にシンボルツリーを設ける個別型

合祀墓とは、シンボルツリーを中心に複数の遺骨をまとめて埋葬する方式であり、あまり費用がかからない一方、遺骨のある場所が特定できないという特徴があります。集合墓も合祀墓とよく似た収蔵方式ですが、遺骨ごとに区画が整理されているため、埋葬された場所を特定できます。個別墓であれば、個人や家族ごとに個別の区画を設けるため、通常のお墓と同様にお参りができます。ただし、個別墓は合祀墓や集合墓と比べ、購入費用がより高額になります。

樹木葬のメリット・デメリットを購入前に比較しよう

樹木葬は通常のお墓とは異なる埋葬方式です。

樹木葬にするかどうかを決定する前に、メリットとデメリットの両面を知っておきましょう。

樹木葬のメリットは環境にやさしい自然葬である点

樹木葬のメリットは、墓石の代わりに樹木をシンボルとする自然葬の考え方をとっている点です。死後は自然に還りたい、自然に包まれて安らかに眠りたい、といった志向を持つ方には最適な埋葬方法です。また、自然葬は環境にやさしい埋葬方法でもあります。遺骨が土に還ると、植物や樹木の糧となるため、環境保全や自然の維持を目的として樹木葬を選択する方も少なくありません。

ただし、実際に遺骨が自然に還るかどうかは霊苑によって異なる点に注意が必要です。骨壷から遺骨を取り出し、土に還す霊苑もあります。しかし、通常のお墓と同様にカロートを作り、骨壷を収蔵するスペースを設けている霊苑もあります。カロートを使用する場合、改葬がしやすいというメリットが挙げられます。

樹木葬のデメリットは合祀墓だと遺骨を取り出せない点

樹木葬のデメリットは、合祀型のお墓の場合、遺骨を後から取り出せないという点です。合祀型の樹木葬は、遺骨ごとに区画を設けず、まとめて埋葬を行います。したがって、一度合祀が行われた場合、遺骨を後から別のお墓に移すことはできません。ただし、区画が分けられた集合型や、世帯ごとに区画を所有する個別型のお墓の場合、一定の期間内であれば遺骨を移葬することは可能です。

樹木葬で後悔しないためには事前の話し合いが必要

樹木葬にするかどうかを決める場合は、故人の生前の希望や、樹木葬にしてからのことも考え、事前に話し合いを行うことをおすすめします。

従来のお墓のイメージと大きく異なる点に注意

樹木葬は、従来のお墓のイメージと大きく異なる埋葬方式である点に注意が必要です。とくに合祀墓であれば、遺骨がどこに埋葬されているかがわかりにくく、故人の墓標ではなくシンボルツリーに祈りを捧げる形式となります。

近年、樹木葬の認知度は上昇しつつあるとはいえ、まだまだ樹木葬に抵抗感を持っている人も少なくありません。樹木葬にするかどうかを検討する場合、親族や遺族を中心に話し合いの場を設け、あらかじめ理解を得ておいた方がスムーズです。

永代供養であっても契約期間が決められている点に注意

また、樹木葬は永代供養であることが多いですが、個別供養される期間はあらかじめ決められている点も事前に情報共有しておきましょう。

10年、33年、50年などの個別供養期間が終わると、遺骨を合同墓に合祀し、土に返す方式をとる霊苑が大半です。個別墓や集合墓を契約した場合でも、シンボルツリーの下にどれだけの期間樹木葬されるのか、家族を交えて確認しておきましょう。

樹木葬の費用相場は20万円から70万円ほどが目安

樹木葬は通常のお墓と比べ、費用面でリーズナブルです。お墓の販売価格は合祀型・集合型・個別型の埋葬方式によって異なります。

合祀型はもっとも費用が安く、20万円から30万円ほどが相場です。ただし、個別にネームプレートなどを用意する集合型は、合祀型よりも費用が高額になります。集合型の相場としては、40万円から50万円ほどが目安です。

また、1本のシンボルツリーを所有する個別型であれば、70万円から100万円ほどと高額な費用がかかります。しかし、個別のスペースの中に複数の遺骨を納められるため、夫婦や家族でお墓を購入する場合は、合祀型や集合型よりも費用面で得をする場合があります。

お墓の販売価格には永代供養を含む場合がほとんどです。また、最終的に合祀墓へ永代供養される前に個別供養期間が存在しますが、10年ほどであれば、お墓の販売価格に含まれる霊苑も少なくありません。

個別供養期間を延長する場合は、33回忌までなら10万円、50回忌までなら20万円ほどの追加料金が必要です。しかし、通常のお墓と比べ、個別供養料金も半額ほどしかかかりません。

樹木葬は自然志向で、費用を抑えたい方におすすめの埋葬方式

今回は、樹木葬のメリット・デメリットや、樹木葬で後悔しないための注意点を、金沢の「宝勝寺ふれあいパーク霊苑」が解説しました。

樹木葬のメリットは、シンボルツリーの真下に骨壷を収蔵するため、自然に還ることができる点です。また、樹木葬は通常のお墓よりも費用がかからず、20万円から70万円ほどで供養できるのもメリットです。

一方、合祀型の樹木葬の場合、複数の骨壷がまとめて収蔵されるため、改葬ができないというデメリットがあります。

樹木葬は自然志向が注目され、近年増加しつつありますが、まだまだ認知度はそれほど高くありません。後からトラブルにならないため、樹木葬を検討したい場合は親族・遺族を交え、事前に話し合いを行っておくとスムーズです。

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